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2021年5月30日(日)移民政策学会が共催する2021年度年次大会のシンポジウムにて、外国人人材サービスユニットゼネラルマネージャーの菅沼が登壇いたしました。
当日は、様々な学問分野の研究者、実践者、法律家、国際機関、NGO/NPOの活動者、政策担当者などの学会員127名の方がご参加されました。
<改定入管法施行後2年~特定技能制度と「総合的対応策」の現状と課題>というテーマで、
弊社菅沼は登録支援機関としての立場から現状の課題や今後の展望をお話し致しました。
【シンポジウム内容】
<改定入管法施行後2年~特定技能制度と「総合的対応策」の現状と課題> 13:30~17:00
司会:滝澤三郎(東洋英和女学院大学)
趣旨:
過去5年間に日本の出入国管理政策は大きく変わった。深刻化する人手不足に対応するため、2018年2月の経済財政諮問会議において、安倍首相(当時)は外国人労働者受入れについて、在留期間の上限を設定し家族の帯同は認めないという条件の下で早急に新しい制度設計をするよう官房長官と法務大臣に指示した。これを受け、同年6月の「経済財政運営と改革の基本方針」は、新たな在留資格を創設するとともに、法務省が、外国人の受入環境整備にかかる総合調整機能を持つ司令塔として関係省庁や地方公共団体と連携することとした。
同年12月には出入国管理及び難民認定法が改正されて、一定の専門性と日本語能力を有する労働者の受け入れのために在留資格「特定技能」を創設し、受け入れのメドを5年間で34万5千人程度とすることが決定された。同時に外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議は、「外国人材の受入れ共生のための総合的対応策(以下総合的対応策)」を決定した。これには特定技能労働者と企業のマッチング、地方公共団体への外国人受け入れ環境整備交付金、「外国人在留支援センター」の設置、日本語教育の充実、外国人児童生徒の就学機会の確保など191の施策が含まれ、政府予算は200億円とされた。
このように、政府は外国人労働者の正面からの受入れとそのための環境整備を早急ともいえるスピードで開始した。しかし、「特定技能」による受け入れは、送り出し国との調整の遅れやコロナ感染拡大防止のための入国制限もあり2021年1月末で18,613人(速報値)に止まる。他方で、多くの問題が指摘される技能実習生の受け入れは加速して2020年10月末時点で402,356人となった。留学生など他の在留資格からの移行も奨励されているが、「特定技能」の8割強が技能実習からの移行組であり、「国際貢献」と「労働者受け入れ」という目的の異なる2つの制度が「接ぎ木」されつつある。
本シンポジウムでの問いは、日本の移民政策の大転換と喧伝された特定技能制度はなぜ進まないのか?国際的にも批判の多い技能実習制度が拡大を続ける理由は何か?入管庁による「総合的対応策」の省庁間調整は機能しているか?「当事者の声」を聴く体制は整っているか?技能実習と特定技能という趣旨の異なる制度が連結された政策は持続可能か?「ローテーション」「家族帯同禁止」「厳格な在留管理」により労働者の日本定着を防ぐ政策と、「外国人との共生社会」を目指すという政策の間に整合性はあるか?アジアで進む「人材獲得競争」の中で、日本の特定技能制度は国際的な競争力を持つか?などである。
本シンポジウムはこれらの問いを含む特定技能制度の現状と課題について、政策担当者、登録支援機関、送り出し機関、当事者、そして支援団体という5つの観点から多角的に検討を行い、あるべき将来を展望する。
開催校挨拶:池上重弘(静岡文化芸術大学)
会長挨拶:近藤敦(名城大学)
趣旨説明:滝澤三郎(東洋英和女学院大学)
第1部
1.近江愛子(出入国在留管理庁政策課長) ※オンラインでの報告
2.菅沼基(株式会社ダイブ外国人材サービス・ゼネラルマネージャー)
3.ミョウ・ミン・スエ(General Manager, May Way Japanese Language School)
4.クン・アウン・チョウ/ティリ・リン(技能実習生・ミャンマー出 身)
5.旗手明(自由人権協会理事/移住連運営委員)
休憩 (10分)
第2部
1.コメンテーター・討論者:(明石純一・筑波大学)
2.パネリストからのリスポンス
3.会場との意見交換
4.まとめ
《登壇者のプロフィール》
菅沼 基(すがぬま もとい)
株式会社ダイブ 外国人人材サービスユニット ゼネラルマネージャー
国家資格2級キャリアコンサルティング技能士
外国人実習雇用士/温泉ソムリエ/ 唎酒師
日本最大級の特定技能を中心とした外国人関連Facebookコミュニティ運営責任者
https://www.facebook.com/groups/1168835896656600/
新卒入社の会社にて人事採用部門の責任者を経験した後、リゾート施設専門の人材サービス会社である株式会社アプリ(現:株式会社ダイブ)に入社。
都内人材、台湾人材サービスの立ち上げ責任者を歴任し、現在は外国人人材サービスの立ち上げ責任者として、人材紹介・支援を行う傍ら、国内外にて外国人雇用関連セミナーの登壇を精力的に行っている。(2019年より34回の登壇実績あり)
<本件に関するお問い合わせ先>
株式会社ダイブ(Dive Inc.)
菅沼
東京都新宿区新宿2-8-1 新宿セブンビル10階
TEL:03‐6311‐9833